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コンタクトレンズのお話
近年コンタクトレンズ(以下CL)は多種多様のものが開発され装用感の向上、取り扱いの簡便さ、さらには企業のコマーシャル活動により使用者の増加と低年齢化が進んでいます。2000年に、(社)日本眼科医会が全国の中・高生を対象に実施した「学校現場でのCL使用状況調査」によると、中学校で全生徒の4.6%、高校生では21.9%がCLを使用しています。また、CL使用中に何らかの目の異常を体験した人は6〜7割にのぼり、しかも定期検査を受けていない人が6割近くあるという衝撃的な結果が出ました。 1.眼鏡とCLの違い 人間の目はカメラに似ています。外からの光線はレンズ(角膜・水晶体)で屈折し、フィルム(網膜)に焦点を結びます。屈折異常(近視・遠視・乱視)があると、網膜に焦点が合わないため裸眼視力が低下します。 2.CLの適応 治療のためにCLが必要になるのは、左右の度が極端に異なる、角膜乱視(角膜のゆがみ)がある、非常に強い近視や遠視がある等のために眼鏡では良い視力が出ない場合です。 (1)年齢:CLの出し入れやレンズの洗浄・消毒などの管理が自分で出来る年齢であること。 (2)性格:使用方法や使用期限を守り、毎日レンズケアーをし、定期検査をきちんと受けられる性格であること。 (3)目の状態:涙の分泌が正常であること。角膜や結膜に病気がないこと。 (4)使用目的:スポーツのため、習い事のため等、眼鏡では不都合な理由があること。 必ず眼科専門医の検査を受け、CLの適応を決めることが大切です。 3.CLの種類と特徴 (1)ハードコンタクトレンズ(HCL) 1951年に日本で使用が開始されました。直径が約9mmで角膜より小さく硬いレンズです。殆どが酸素透過性の素材で作られ、目の中では涙に浮かんで瞬きとともに上下します。 長 所 @角膜上で動くため角膜の酸素欠乏を起こしにくい。 A消毒が不要で手入れが簡単。(洗浄のみ) Bレンズが硬いので耐久性がある。 C角膜上で動くため眼障害に気づきやすい。 短 所 @硬いので装用感が悪く、慣れるのに時間がかかる。 A直径が小さく目の中で動くため、ずれたり落ちたりしやすい。(激しいスポーツに不向き)
(2)ソフトコンタクトレンズ(SCL) 1972年に日本で販売が開始されました。直径が約14mmで角膜より大きく柔らかいレンズです。水分を多く含む素材で作られ、目の中では涙をたっぷり含んで角膜に密着します。 長 所 @柔らかいので装用感がよく、すぐ慣れる。 A直径が大きく角膜に密着するため、ずれたり落ちたりしない。(スポーツに便利) 短 所 @角膜に密着するため酸素不足を起こしやすい。 B柔らかい素材のため、レンズの変形や破損を起こしやすく耐久性に欠ける。 C柔らかく、角膜に密着しているので、角膜障害に気づきにくい。 *SCLのバリエーション SCLの安全性を向上させるため、装用期間を限定したレンズが普及しています。 @1日使い捨てレンズ:レンズはその日のうちにはずし、毎日新しいレンズに交換する。 A2週間交換レンズ:毎日はずして洗浄・消毒し、最長2週間で新しいレンズに交換する。 B定期交換レンズ:毎日はずして洗浄・消毒し、一定の期間(1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月)で新しいレンズに交換する。 以上のようにいろいろな種類があるので、まず眼科専門医に相談し、自分の目的や目に合ったCLを処方して貰うことが大切です。 4.CLによる眼障害 CLによる眼障害は以下の3つの原因が作用し合って発生します。 (1)CLによる酸素不足 人体の殆どの細胞は血液を介して酸素供給を受けているが角膜は血管がない組織です。従って角膜の細胞は、空気中の酸素を一旦涙に溶かしてから取り込んでいます。 HCLでは瞬きの度にCLが上下し酸素を含んだ新しい涙が入れ替わることによって、SCLではCL自体が酸素を含んだ涙を吸収することによって、角膜への酸素供給がされています。 いずれの場合もCL装用中は裸眼に比べ酸素が不足します。装用時間が長すぎたりCLを入れたまま眠ったりすると、角膜の傷や上皮が剥がれる危険があります。酸素不足が長期に及ぶと、角膜の機能そのものが低下し、著しい視力障害を残すことがあります。 (2)CLの汚れ CLに付着する汚れは、涙の成分である蛋白質や脂質、外界の微生物、マスカラやアイシャドー等の化粧品、整髪料など原因です。これらの汚れにより以下の障害が起こります。 @細菌・微生物の感染:特にSCLの場合は、毎日の消毒を怠るとレンズケースの中で細菌や微生物が繁殖し、角膜の小さな傷から感染を起こす危険がある。 Aアレルギー反応:付着した蛋白質が変性しアレルギー反応を起こすと、痒みや異物感がおこる。瞼の裏の結膜に巨大乳頭(大きなボロ)ができるとCLがずれやすくなる。 B酸素不足:CLの酸素透過性が低下し、さらに酸素不足を助長する。 (3)CLによる涙液不足 CL装用中は、涙の蒸発が亢進し涙液不足が起こりやすくなります。さらにゲームやパソコンに熱中して瞬きの回数が減ったり、冷暖房によるドライな環境も涙液不足を助長します。 5.CL眼障害の予防のために 以上述べたように、CLは便利である反面いろいろな問題を含んでいます。CL眼障害の予防のため大切なことは・・・ (1)眼科専門医の検査・処方を受ける 目に病気がないか、CLを使用しても良いかを検査し、自分の目や目的に合ったCLを処方して貰うこと。 (2)正しい使用法を守る CLの交換時期、装用時間、レンズの取り扱い方(洗浄や消毒)をきちんと理解し守ること。 (3)異常を感じたら、すぐはずす 異物感、痛み、充血があったら、すぐはずして眼鏡に切り替える。このためには常にレンズケースを携帯すること。一日で治らない場合は眼科専門医を受診すること。 (4)定期検査を受ける 自覚症状のない眼障害もある。異常がなくてもHCLでは6ヶ月〜1年に一度、SCLでは3ヶ月〜6ヶ月に一度は定期検査を受けること。 (5)眼鏡との併用が原則 帰宅したら眼鏡に切り替えるのが最善の使い方である。きちんと見える眼鏡を常備すること。
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