ロービジョンケア関連情報

vol.14 視覚障害者の外出

名古屋市総合リハビリテーションセンター 松枝孝志

2022年7月1日

 見えない、見えづらい状態となると、外出面についての危険や不安を感じることがありますが、多くの方はそれまでと同じように外出したいという気持ちを抱えています。また、どのような方法があるかを知らずに、外出を諦めてしまっている方もいます。困りごとやご希望などに合わせて、どのような外出の方法があるかを紹介します。

困りごとやご希望➡外出の方法・おすすめの外出手段

・一人で出かけたい、通勤・通学をしたい、段差や階段が怖い、移動中に人に当たってしまう、段差や障害物に当たってしまう

➡白杖を使って(持って)歩く(持つことで歩きやすくなる可能性あり)、盲導犬を使って歩く

・人と一緒に安全に出かけたい、通院や買い物を手伝ってほしい、外出時に頼れる人がいない、高齢で転ぶのが怖い

➡ガイド(誘導)を受けて歩く、同行援護を利用する(福祉サービス)(ご高齢の方などで体力的な低下のある方や不安のある方にもおすすめです)

 患者様の状況によっても異なりますが、その方の状況、場合に合わせてご本人が外出手段を選ぶことができ、選択肢があるということが重要です。

 以下は、視覚障害者の外出の方法について具体的に紹介します。

白杖を使って歩く

 白杖の基本的な使い方を習得し、地形や地図の理解を行い、聴覚や触覚を活用して得た情報をもとに適切な判断をすることで、単独で外出ができる可能性があります。ロービジョンの方も白杖によって足元の安全確保を行うことで、目を足元から離して有効に使えるようになり、安全性を高めることができます。シンボルとして白杖を持ち、周囲の方に視覚障害であることを認識してもらうことだけでも歩きやすい状況になります。

 白杖を使って単独で安全に外出するためには、白杖歩行訓練を受けることがおすすめです。歩行訓練は、名古屋ライトハウス日々の暮らし相談センターや名古屋市総合リハビリセンター視覚支援課にて受けることができます。

盲導犬を使って歩く

 盲導犬は視覚障害者の眼の代わりに、周囲の状況を動きを通じて使用者に教えて移動時に障害物を避けるなど、視覚障害者が安全に外出することができるようにサポートをしてくれます。盲導犬を利用するためには、盲導犬協会に申込み、育成された盲導犬との共同訓練を受ける必要があります。愛知県では名古屋市港区に中部盲導犬協会があり、盲導犬の利用について相談することができます。

ガイド(誘導)を受けて歩く

 視覚障害者が誘導を受けて歩くこと、またはその誘導する人のことをガイドといいま す。一般的なやり方では、視覚障害者がガイドの左腕(右腕)の肘の上または肩を右手(左手)で握り、ガイドが視覚障害者の半歩前を歩きます。視覚障害者はガイドの肘や肩の動きで曲がっているか、上りか下りかなどがわかり、ガイドが半歩前を歩くため障害物などへ接触することなく歩くことができます。

 家族や友人のガイド以外に、障害福祉サービスの同行援護というサービスを利用することでガイドを受けることが可能です。

★同行援護サービスについて

 移動に困難がある視覚障害者の方が、外出した際に同行援護従事者(ガイドヘルパー)が同行し、移動の援護(介助)を行うとともに、移動に必要な視覚情報の提供の支援を行う障害福祉サービスです。買い物や通院、趣味の外出など様々な用途で利用することができます。また、必要に応じて利用中に代読や代筆などの支援を受けることもできます。同行援護のご利用にあたっては、視覚障害の身体障害者手帳や役所での手続きが必要です。

その他電子機器を利用した歩行

 スマートフォンのアプリには、視覚障害者向けに外出を支援するアプリがあります。例えば、「ナビレコ」というアプリではテキストと録音の音声ガイドを活用して、登録されている場所へのナビゲーションを受けることができます。こうした機器を利用した歩行は、スマートフォンの操作や白杖を使った安全確保ができることが前提となりますが、今後の技術の進歩で電子的な歩行のサポートはより充実していくことかと思います。

最後に

 大事なことは外出した先で目的が果たせること、外出についての選択肢があることの2つだと思います。白杖を使って単独で外出できるけれども負担があるので同行援護サービスを利用する、場所によって使い分けるといった選択肢があることやそれぞれの方がご自分にあった外出方法を見つけることが重要です。

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